■僕たちの未来 〜新しい龍神NIPPON その4 私の世界を変えた男〜

今のところ、私の見えてる世界を変えた男がいふたりいます。
 
ひとりめは羽生結弦。
ふたりめは石川祐希。

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彼の存在は普通の人ほどしか興味のなかった男子バレーの世界に私をどっぷり引き寄せました。
時間も、お金も、もてるもの全てでその活躍を追いかけたいと思える逸材なんです。
その魅力は色々あるのだけれど、私がはっきりと言葉にできるものは、ふたつ。
 
未来を感じさせてくれること。
どんな壁も乗り越えようとするところ。
 
これが二人に共通する資質だと思っています。
そして、その資質が私に想像もしなかった素晴らしい世界を見せてくれるのです。
 
石川祐希の存在はフィギュア一色だった私の観戦生活をガラッと変えました。
そのパフォーマンスをこの目で見たいと渇望させられます。
彼をテレビで見なかったら、私のこのバレーボール観戦三昧の今はきっと、存在してないでしょうね。
 
でも、新しい龍神NIPPONで活動し始めた彼の様子はいつもとはちょっと違う感じです。
その活躍ゆえの休みのないスケジュール、そして、度重なる怪我に彼の爆発力は身を潜めているのかもしれません。
 
去年、インカレの決勝戦で見た彼の集中力はホントすごくて、東海大学相手にのっけからサービスエースの連続で、見てるこっちも鳥肌がたったのを覚えています。
あれからイタリアに行って、怪我の影響で試合に出れなかったりもしたけれど(途中、寝落ちしたけど)、動画でほぼ出場している試合も、ああ、こんなプレーもできるようになったんだな、と画面越しに見ていました。
そして、イタリアから帰ってきてからの春季リーグも。
 
だから、彼のコンディションがまだピークでないこともわかっています。
彼がピークを持ってくるのは世界選手権のアジア予選でいいんです。
それまではぼちぼちとコンディションを整えつつ、試合感を取り戻してほしいな、と思っています。
 
彼は相手が強くなればなるほど、その力を発揮する選手だから。
 
そして、このチームは彼がトップコンディションでなくても、代わりに活躍できるメンバーが居るチームだから。
そんな心強い環境ができるとはあのOQTの戦いぶりからは想像できませんでした。
もうすぐ来るその時のためにまだ力をためておいてください。
 
とは言え、ジャンプフローターでもエースを取っちゃったりするし、

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すさまじいキルブロックを見せてくれたりするし、
エグいインナースパイクとか打っちゃうし、
私の大好物、バックアタックの切れ味も最高だし、
そして、柳田くんとのワチャワチャも楽しいし、

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まるで監督のような存在感と、チームへの声かけも一段と迫力があったし、

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よーするに今の状態でも相当、楽しませて頂いてます。
 
でもね、こんなもんじゃないんだよ、彼は。
近いうちにまた、たくさんの人の度肝を抜いて、魂を連れてっちゃってくださいな。
 
まずは中国ラウンドで何を見せてくれるのか、楽しみです。
そろそろジャンプサーブも解禁かな?
 
つづく。(きっと)。

 

 

 

 

■僕たちの未来  〜新しい龍神NIPPON その3 大舞台が人を作る〜

彼がイタリアでシニアに合流したと聞いた時、ちょっと働きすぎじゃない?と思っていました。
 
イタリアに留学して、帰ってきて大学の春季リーグに出て、U23アジア予選で準優勝し、ユニバの東アジア地区予選で優勝し、そして、シニア代表に合流するためにイタリアへ、そして、スロバキアでも、高崎でも試合に出ることに。
たぶん、今の龍神NIPPONで一番、過酷なスケジュールをこなしたのではないかと思っています。
だって、文字で見るだけでも、大変って思いますよね?
それを彼は淡々とこなし、試合ごとに成長し、高崎で周りもびっくりするくらいの一皮向けた姿で活躍してくれたのです。

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彼のプレーを初めて身近で見たのは去年の大学の秋季リーグからインカレにかけてでした。
そう、まさに彼がオポジットに転向してからの軌跡を追ってきた感じ。
高さもパワーもある彼のスパイクは人をふっとばすことももちろんあったし、サーブだって、決まるときは威力を発揮してました。
 
でも、まだ、そこには勝負する、という姿は見えなくて、二段トスとか、ブロックが3枚ついたときに、打ち切らないというシーンを何度も目にしてきました。
(現地で、「いっせー、行け!」とか叫んだことは数知れず。。。。うるさい観客ですみません)
 
アンダーのカテゴリーで活躍する姿を見てもシニアで大丈夫かな、逃げちゃわないかな、、、と親のように心配ばかりしていました。
 
このワールドリーグでも最初の方は大学で見たようなシーンがちらほら見れて、やっぱり、このチームにはまだ、清水さんみたいなベテランのオポジットが必要かも、とか、もう、いっそのこと、オポジットなくしてOH3人で回すとか、そういう考えもありなんじゃないかと悶々と考えたり。
 
もともと、日本のバレーにオポジットは必要なのか???と観戦仲間とむっちゃ熱い議論をしたことも。
 
でも、彼、大竹壱青は、日本のバレーファンが待ち望んでいた清水さんのあとを任せられるオポジットに育つかもしれない、という夢を高崎で見せてくれました。
正直、まったく、想像してなかった活躍にもう、驚きと、そして安堵と、喜びが混じって、それは涙につながります。
 
この試合で叫んだ「いっせー、行けー!」という言葉は大学の試合で叫んだそれとは違っていました。
そう、やってくれることを期待した言葉。
 
なんて、頼もしいんでしょう。
なんて、かっこいいの。

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代表が招集されたときとは違う鋭い顔つきになった彼は「龍神NIPPON」という大舞台に育てられたのかもしれないね。
 
これから、彼はどんな選手に育っていくんだろう?
2020年までにどんな風に私たちを驚かせてくれるんだろう?

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■僕たちの未来  〜新しい龍神NIPPON その2 覚醒した彼〜

いろんな選手が活躍してるこの大会。

その中でも、驚くほど、安定した活躍を見せてるのが、柳田くん。
イタリアの親善試合から、コートの上での彼は頼もしいことこの上なくて。
もともと、魅力的な選手でしたが、ここまでの安定感はいままで感じたことがありませんでした。
 
ワールドリーグで6戦終了までのデータを見ると、グループ2でベストスパイカーであり、ベストサーバーである彼。
決して身体に恵まれた選手ではありません。
私から見たら、186cmはおっきいな、と思う身長ですが、代表のコートの中に立つと、小さく見えるときもあります。
 
その彼が大活躍。
 
先シーズンの最初の試合で彼がオポジットでコートに立ったのをみたとき、ものすごい気迫を感じたのを今でも覚えてます。
そこで見た彼の覚悟。
何かを求めて強くなりたい、その思いがにじみ出て来るような戦い方でした。
それはVプレミアの試合でも、同じ空気感でした。
 
けれど、彼はVの自分のチームでは勝ちきれなくて。
それは彼だけの問題ではないのだろうけれど、もうちょっとのところで、頂点にたどり着かない悔しい思いを重ねていたのではないかと感じていました。
こんな表情に何度も遭遇して。

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大事な最後のピースがなかなかはまらないのは何でだろう?と、私も考えました。
今、思えば、それは、未来に繋がる布石だったのでしょう。
勝利を渇望する気持ち、のようなものが彼を駆り立てているのかもしれません。

代表での8試合、レベルの上がった彼のプレーに何度も、何度も、驚いて。
彼にとっての、その時がようやくきたのではないかと思うようになりました。
そう、高く、高く跳ぶときが。

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プリンスと呼ばれ、NEXT4と呼ばれ、期待されてきた彼。
2015年のWCで見た姿はサーブがすごい選手、というイメージしか私にもありませんでした。
でも、彼は見ていくうちにその良さに気づくいぶし銀のような選手でした。
身長の足らない分を技で埋めるという視野の広い上手いプレーを随所で見せてくれるのですが、それだけが彼の持ち味ではありません。
彼はコートの中で、仲間を励まし、仲間を鼓舞し、自分のプレーで仲間を引っ張るリーダになれる存在だな、と思うようになって。
きっと、彼は2020年のコートにはキャプテンマークを背負って立つ人材なんだろうな、と。

ずっと高いパフォーマンスを出し続けてることもすごいと思うけれど、スロベニア戦のマッチポイントからのサービスエース2本で試合をひっくり返すハートの強さに無条件に感服。
どうしたらそんなに勝負強くなれるんだろう、と人として羨ましくなるくらい。
(アスリートでなくても生きてれば、勝負をかける時が必ずやってくるので、そのスキルがあったらな、と)
そんな強い意志に手繰り寄せられたあの勝利はそこに向かってきた人たちへのご褒美だったのでしょうね。
みんなとっても素敵な笑顔でしたもの。

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中国ラウンドでも、覚醒した柳田くんの活躍がみれるのかと思うと、ホント、ワクワクします。

余談だけども、彼をかっこいいと思うのは顔の美醜とかの見てくれなんかじゃなくて、そのフィールドで思いっきり見せてくれるかっこよさなんだよね。
そう、顔だけだったら、もっとかっこいい人たくさんいるさ。
ま、写真を撮ってても、とっても透明感があって、「美人だな」と思うことも多いのだけれどw(いや、ホントなんですってばw)。
 
つづく。たぶん、きっと。

■僕たちの未来  〜新しい龍神NIPPON その1〜

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彼らの姿を見た時、あんなにキラキラしてたっけ?と自分の目を疑いました。
 
Vプレミアや大学で見てきた選手が代表のユニフォームを着て、コートで躍動する姿を見ることは、代表の試合しか見てなかったときのそれとは全く違っているように見えて。

去年、その勝利を信じて見に行ったOQTが一番、辛くて、苦しい試合観戦でした。
欲しいものが彼らの手のひらからこぼれ落ちていく瞬間をただ見守るしかありませんでした。
その光景も表情も私の頭から離れることはありません。
WLの試合なんて、なんの苦行なんだろう、と思うくらいにまとまらないチームの試合を見続けることに。
私はなぜ、こんな辛い状態の彼らを見続けるのだろう、と自問自答したりもして。

でも、どこかで、才能をもった彼らがこの苦しい時期を乗り越えて、輝くことを信じたくなったのだと思います。
そして、彼らが見据える2020年に活躍する姿を見たくなったのです。

2016年、代表の活動が収束してから、彼らがそれぞれの場所に戻ってからも、バレーボールに向き合うのを馬鹿みたいに追いかけ続けました。
一体、何試合見に行ったんだろう?(数えなくてもいいくらいたくさんw)

そして、2017年。
代表の最初の国際大会であるワールドリーグを本当に本当に楽しみしてたんです。
(前日に眠れなくなるくらいw)

スロバキアラウンド、高崎ラウンドを経て、すでに4勝2敗。
このチームに欠かせないと言われていた石川くんが出場できてない試合でも勝ちきってきたのです。
こんな姿をこのチームが活動し始めるまで想像できませんでした。

2020年に向けて準備が遅いと各方面から叩かれ、監督の事故でつまづき、代行監督でスタートしたチーム。
このメンバーで大丈夫だろうか?と思ったメンバーもいました。
新しく代表に選ばれて、どんな結果を残してくれるか分からない選手もいました。

でも、そんな不安は試合を追うごとに薄れていきます。
高崎で目の当たりにした、このチームは夢を見せてくれるチームだと。
声を枯らして、心の底から応援したくなるチームだったと。

新しい龍神NIPPONは私が想像したよりもはるかに面白いチームになっていました。

つづく、、(多分)。

■それは傲慢というモノ 〜誰かにとっての一番と、君にとっての一番は一致しない その2〜

バレーボール沼は思ったよりも深くて広かったんです。
というのも、日本代表を見てハマってから、選手を追いかけて、大学バレー、Vプレミア、春高観戦。
カテゴリを広げすぎたってのもあるんだけど、次から、次へと芋づる式に広がっています。

多分、競技としては私はフィギュアより、バレーボールのほうが好きなんだと思うのです。
なので、最近は個にハマったけども、競技が好きになってきたな、と自分では感じるようになりました。

でも、個人を好きになって、その人しか見えない人を否定する気にはなれないのです。
その気持もわかるから。

TwitterでTLを見ていると、大学バレーを見に来て石川くんばっかり応援するのはモヤるとか、中央大学全体を応援してほしいとか、柳田くんのいるサントリーの試合が終わると人がごっそりいなくなるとか、そういうことを批判している言葉を見かけます。

で、どうしたいの?と聞きたい気分になるのです。

たとえ、選手個人が好きになったとしても、会場に行って、そのプレーを見て、惹きつけられる人もいるんです。
惹きつけられないのは、その人と競技が合わないとか、目の前で繰り広げられているプレーは、その人にとっては魅力がないからなのです。
それは他人が干渉できることではないと私は思うのです。

SNSってさ、そうやって使ったら、ちっとも前向きじゃないよ。
そういう否定的な言葉を見かけた人がさらにその競技を好きになってくれて、追いかけてくれるなんてどうして思えるんだろう。

だったら、その魅力をもっと語ったらいいじゃない。
自分がこうして好きになったよ、というポイントを伝えてあげたらいいじゃない。
こんな素敵な選手がいるよ、って教えて上げたらいいじゃない。

選手も、ファンもそうやって努力するから、見てくれる人が増えていくんだと思う。
そのためにはキャッチーな選手も必要。
いままで見たことのない人が会場に足を運ぶためにはそのくらいのエネルギーがいるんだよ。
ファンを増やすってそういうことじゃないのかな?

自ら撮った写真をアップしてる人が、「石川くん」だけを撮ってることを否定しても。
彼だけじゃなければよくて、彼だけだとダメってへんな理論でしょ?
だって、撮ってる瞬間はきっと、プレーは見れないのだもの。
私も自分がカメラを持ってわかったこと。

プレーに熱中しちゃうと写真、撮ってられないし、写真を撮ろうとおもうといいプレーを見逃しちゃう。
だから、自分がどのタイミングで何を優先するかを選んでいるだけ。
(私もそうやって、撮るタイミングと、見るタイミングを自分で選別してます)

自分の好きなものを人に大事にしてほしい気持ちはわかる。
伝わらないその思いに憤る気持ちも。

だからこそ、もっと、前向きに個人に惹かれた人が、競技を好きになるようにアクションを起こしたらいいのに。
何も動く気がなくて、人の気持が変わらないことを嘆いたって、何も変わらないもの。

私にとっての一番と、誰かにとっての一番は一致しない事のほうが多い。
そう思って、何を自分が変えるか、って思うようにしたら、もっといい環境ができるんじゃないかな。

だって、ここにいるんだもの。

個に惹かれて足を運んで、競技を好きになった人が。
でも、あっという間にそうなったのは昔からファンだった友達が面白さをたくさん教えてくれたから。
決して、個を追いかけている私を否定するのではなく、こういう面白さがある、こういう素晴らしい選手がいるってたくさん話をしてくれたから。

それができる人たちが「こうしてほしくない」という呪いの言葉ではなく、「こうしたらもっと面白くなるよ」という言葉を発してくれることを祈ります。

だって、本当に面白いもの。
バレーボール。

私はこの面白さをたくさんの人にわかってほしいよ。