【スポーツ】人の心を震わせるもの

男子のフィギュアをこんなに真剣に見たのは久しぶりだった。

その演技の序盤から、何かに引きつけられるように画面に食いついた。 

こんな魂のこもった演技はどこから生み出されるのだろう。
線の細い彼から想像できないほど、迫力のある4分半だった。

荒削りではあるものの、可能性を感じさせるその演技に会場も、
そして、もしかしたら審判も感動したのではないかと思う。
そうでなければ、信じられないような点数が彼についた。
フリーではあの高橋大輔よりも高い得点だったのだから。

フィギュアは私たちのような素人が見るのが難しいスポーツだと常々、思っている。 

正直、ジャッジがつけるスコアが理解できない場面が多々ある。
今回もパトリック・チャン演技構成点の高さには疑問を感じる。
もちろん、4回転を2回決めたこと、4回転−3回転のコンビネーションが決まったことは大きかったのだろう。

それはそれでいいのかもしれない、と今回は試合を見てて正直に思った。
本人たちはもちろんよりいい成績を残したいと思うだろう。

記録を残すことと、
記憶に残ることは違うのかもしれない。

それが、アスリートであり、表現者である彼らに課せられた運命なのだろう。


私は素直に感動した。
そして、もう一度、その滑りを見たいと思った。
見るたびに、感動で心が動いた。

これからも、彼がどんな風に成長して行くのか、見てみたいと心から思った。