【Word】『みんな』と『いろいろ』という曖昧な言葉

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「みんなそう思ってるんだよ」
「みんなお前が嫌いなんだよ」
そんな言葉がTwitter上などで踊っていると違和感を感じる私です。

普段、あまり意識をしないかもしれませんが、
ある特定の場面でこの言葉が多く使われることがあります。
悪口を言うときだったり、何かに反対するときです。
心当たりはありませんか?

ほとんどの場合、ポジティブなことを伝えるのには使わない言葉なんですよね。
 

例えば『みんながそう言ってるよ』とか『みんながそう思ってるよ』という使い方や、『いろいろあって実現はむずかしいよね』や『いろいろ忙しくて(やれません)』という用法で使われます。

何かを曖昧に、あやふやにしたくて使う言葉なんだと思います。

もし自分がそれを言われる側だったらその言葉に納得が出来ないはずです。
私はそういうときはっきりと聞くことにしています。
『みんな』って誰ですか?
『いろいろ』を具体的に教えてください、と。

 

大抵の場合は口にした本人はその問いに答えられません。
きっとその事象を突き詰めて考えていないのでしょう。

 

私はこの曖昧さは仕事をする上ではとても危険なことだと思っています。
どんな場面でもこの情報では判断や決断を下すことが難しいはずです。
これでは何が問題なのか分からないからです。

 

どういう立場の人がどんな意見を言っているのか、私は確認します。
また、同じ『やりたくない』という意見であっても理由が異なっている場合は対処が異なるはずです。
それでも質問をすると、釈然としない顔をされたり、
『みんなはみんな』だよと逆ギレされたこともあります。

 

また、『いろいろ』も同様にやっかいな言葉です。
例えば『いろいろと問題があって』などと言われると、
漠然と問題が山積しているようにも受け取れます。
それ以上、踏み込むことを躊躇するかもしれません。

 

私は『いろいろを具体的に教えてください』と言うようにするのですが、
実際にいろいろの中には阻害要因にならないものや、
数値に基づいた根拠でないものも含まれていることが多く、
いとも簡単に解決できるケースもよくあるのです。

 

『みんな』と『いろいろ』は思考を止めてしまう困った言葉なのだと私は受け止めていて、私自身も少なくともビジネスでは使わないように心がけています。

 

私たちは『脳』という素晴らしい役割を果たすものをもっと活用してもいいのかもしれません。
曖昧な言葉を使わないことで驚くほど、物事がクリアに見えることがあります。
曖昧さをなくすために必死で情報を得たり、分析するからだと私は感じています。

 

とはいえ、もちろん、プライベートでは回答に困ったとき、つい『いろいろあるから』なんて逃げることもあったりするのですけれど。

 
 
※過去(2010年)に他のブログで書いた内容を一部加筆しています。