【風景】桜舞う風景
何だか、慌ただしくて、じっくり、桜を見ている時間もなく。
いつも思うけれど、忙しい、という言葉は心をなくすこと。
ふと、それに気づいて、深呼吸をしながら、
タクシーの車窓から桜をみると、もう、風に花びらが舞っていた。
ああ、もう、短い桜のシーズンは終わるんだ、と思いながら。
桜をみると、思い出すシーンがある。
思い出す人がいる。
涙でよく見えなかった、あの風景を思い出す。
伝えられなかった言葉を思い出す。
だから、桜舞う風景をみると、ふと、歌いたくなるのだろう。
あの頃、よく聞いた彼女の歌を。
今日は気づいたらメロディーを口ずさんでいた。
好きだった歌詞。
「誰にも卒業できない恋もある」
あったのかな、私にも?