■Last Chapter  -君を追いかけた日々 その8-

ハビやしょーまの演技を落ち着いては見れませんでした。
彼らにもベストパフォーマンスをしてほしいと思う反面、金メダルを逃したくない、という気持ちも当然ありました。

きっと、この日は羽生結弦の日だったんだと思います。
ボストンの世界選手権のフリーの日がハビの日だったように。

もちろん、ハビやしょーまが完璧な演技をしたら、チャンスはあったのかもしれません。
そういう可能性は0ではなかったのでしょう。
でも、あの場の空気は羽生結弦が支配していたような気がぼんやりしていました。

いろんな方が言っていたのですが、他の選手にとって、オリンピックの魔物は羽生結弦という存在だったのかもしれません。

私はネイサンが平昌ではゆづを脅かすライバルになると信じていました。
彼のポテンシャルを考えると金メダルを持っていかれる可能性もある、とも思っていました。
ですが、ネイサンは勝ちを強く意識しすぎたのかもしれません。
アメリカ中が彼に金メダルを取ることを期待していた背景も彼のプレッシャーだったのかもしれません。

大好きだったネイサンのショートプログラムであれを見るのはちょっと辛かったです。
だからこそあの爆発的なフリーが見られたのですが。

このオリンピックの結果だけを見ると、多種類4回転時代はまだ完成していなかったようです。
ハビもゆづもクワドは2種類しか跳びませんでした。
それでもメダルを取ることができたのは、二人がトータルパッケージの選手だったからです。

確かにクワドの本数でTESを稼ぐことはできてもその出来栄えや他のエレメンツが整っていて初めて上位に食い込むことができる、というのが今の現状だったのです。

それをいち早く理解して戦術としてそれを選択したのはオーサーコーチとクリケットというチームだったのでしょう。
これはISUにとっても望ましい結果だったのかもしれませんね。
これから変わるルールを後押しする結果だったようにも見えましたから。

なにはともあれ私たちをあれほどドキドキ、ヒヤヒヤさせた彼はごくごく当たり前のように素晴らしいプログラムを滑りきって、見事66年ぶりのオリンピック連覇を成し遂げたのです。

彼がそのためにどれほど努力してきたのか、
そのためにいろんなものを捨ててきたのだろうことも、
そして、人生をかけた戦いであることも分かった上で、やっぱり、彼は「持っている」人なんだ、と感じました。

本人自身も言っているようにときに努力と結果が結びつかないこともあります。
そういうトップアスリートもたくさん見てきました。

でも、彼はここは勝たなければ、というところで勝ち抜いてきた人ですよね。
もう、これは神がかりとしか言いようがない気もしています。

2012年、ロミオで雄叫びをあげていた彼を見つけてから、長い長い、連覇への道をずっと追いかけてきて、
本当に二つ目の金メダルを取る瞬間を目の前で見れたことは本当に幸せでした。

私はなによりも彼が喜んでいる姿が見たかったから。

だから、彼が金メダルを取れて幸せと言っているのを聞いて、これで一つの物語が終わるのだと感じ始めていたのです。
そう、私の長い追っかけ生活も終わるのかと。

・・・・・でも本人は4Aを跳ぶまで続けるっぽいですし、最近のオーサーのコメントでは次のオリンピックなんて話もちらほらあって、何が起こるかわからないのが、この人の追っかけ人生だったことを再認識しているところです。

もうね、とりあえず、北京貯金するよ。
後から準備したら間に合わないからね。

たとえ、それが無駄になっても、、、でも、するよw。

ありがとう、ゆづ。
幸せな瞬間を共有してくれて。
ありがとう、彼を支えて、ここまで連れてきてくれたたくさんの人に。

ま、要するに、イケメンアスリートを推し続ける旅はまだまだ続くようです。
必要なものは、知力、体力、財力、時の運。

頑張るよ。