■旅立ちの季節 3  -さよならは別れの言葉じゃなくて 町田樹の場合-

連日、みなさんの旅立ちのお知らせを受けて、心は踏んだり蹴ったりです。
今日は、町田樹さん。
プロフィギュアスケーター。

私は熱狂的な羽生結弦のファンであること、これは動かない事実です。
でも、ゆづを見に行ったショーで、試合で、私を引きつけて離さないスケーターがいました。それが彼、町田樹です。

実は彼の良さって、テレビで見るよりも現地観戦したほうが伝わるんですよ。
ソチオリンピックシーズンのDOIで彼の滑りを見たときに、彼は3枠目に滑り込む選手だと感じたのを今でも覚えています。

あのシーズンのプログラムは素晴らしかった。
エデンと火の鳥。
彼が意思でもぎ取ったオリンピック枠。
最後は意地なんじゃないかと思うくらい、そのために戦い続ける姿はかっこよすぎて。
(ちょっと、言動が面白かったのもあるけどね)

さいたまの世界選手権でゆづとその表彰台を争った時のことは本当に、本当に、鮮明に覚えています。
どっちもすごかった。
そして、ぶっ潰す宣言も楽しみでした。

でも、彼は分かっていたんでしょうね。
自分が勝つために何が必要かは。

それを実現するためのプログラム第九は仕上がらなかったことは彼が決断するに十分だったのかな。
まっちーが引退宣言を氷上でした時、心の持って行き場がなくて、翌日のショーで製氷後の氷の上に彼だけのトレースを描きながら滑ったときにはただ、ただ、号泣でした。(テレビに抜かれたのは苦い思い出)

採点のない世界で彼がみせてくれたのは、きっと、彼が本当に滑りたかったプログラム。そう、作品と呼ぶに相応しいもの。
でも、彼はその世界も卒業して、学業に専念するという。

とてもいさぎの良い人生だな、と思う反面、もう、見れないのか、ということが寂しくて。

いつも言葉にしてるのですが、アスリートがその舞台を降りるのには、なんの前触れもなかったり、アクシデントで急に方向が変わったりということが起こりがちです。
そう、そこに行って、目の前で見れることは稀有なことなんです。
私にとって、彼、町田樹の競技からの引退も、こうして、ショーからも引退することも突然のことすぎて。

でも、今度は教えてくれた。
ここで、最後だよ、さよならだよ、と。
しかも先行チケットの発売前に(これ重要)。

だから、私は見に行かなきゃな、と思う。
最後の作品を見に。

それでも、私はさよならは言わない。
違う世界でまた彼は活躍してくれるところをみせてくれると思うから。

そして、最後の、最高の瞬間を目に焼き付けるためにそこに行こうと思う。
(想定外の出費であることは否めないw。頑張れ、私。)