■旅立ちの季節 4 -カーリング界隈の新しい動き-

ウィンタースポーツにとってオフシーズンはチーム編成の時でもあります。
オリンピック後はいろんな改変が起こるものですが、カーリンング界隈でも大きな二つのニュースが入ってきましたね。

SC軽井沢から、清水さん、平田さんが抜けるというニュース。


北海道銀行から小笠原さんが抜けるというニュース。


チームメンバーが増えたり、変わったりはカーリング界では普通に起こる話です。
例えば、今はLS北見のスキップになった藤澤さんは中電にいたことがありますし、吉田知那美さんは北海道銀行にいたことがあります。
本橋麻里さんはチーム青森を離れて、LS北見を作りましたし、チーム青森を離れた小笠原さんと、船山さんが北海道銀行のチームを作りましたし。

ま、あげれば切りはないですがトップ選手が新しいチームを作ったり、形が変わったりというのはあまり驚くことではないのですが、今年は特にオリンンピックでたくさんの人が初めてカーリングに興味を持ってくれたこともあって、ちょっとざわざわしているのかもしれません。

特にSC軽井沢は長い間、同じメンバーで戦ってきたこともあるので、私もニュースには少し驚きました。
もう一つ感じたのは、男子もそうやって強いチームがたくさん出来上がってくる時期がやってきたのかもしれないということです。

カーリングは長い間、男子がオリンピックに出れませんでした。
なので、自分がカーリングをやっているというと大抵、カーリングって男子はあるの?と聞かれるのが常でした。
他の競技でもそうだと思うのですが、基本、スポーツは男子の方が層が厚くて、なかなか世界に出て行けないこともよくあります。
カーリング男子もそうでした。

国内ももう長い間、SC軽井沢一強の状態が続いていました。
チーム札幌(4real)は彼らに勝った試合もありましたが、連勝が続いていましたし、カーリングをする人たちから見ても、世界と戦えるのはSC軽井沢しかない、という認識でした。

だから今年の日本選手権でチームIWAIが優勝したとことにちょっと私たちは驚きました。
下馬評では今年の日本選手権はチーム札幌が勝って、世界選手権に行くだろうと思っていましたから。
しかもこのチームIWAIはメンバーが足らなくて、助っ人を入れたりして構成されていたチームですから尚更ですよね。
でも、彼らも世界選手権で新しい可能性を見せてくれましたよね。
見てる人を楽しませてくれるプレーをたくさんしていましたし。

豪くんの豪快なテイクを見て、カーリングって面白いな、と思ってくれた人もいるのではないでしょうか?

カーリングはマイナースポーツで、競技者でも働きながらやっている人も少なくありません。
年間を通じて、活動をして行くためには、お金もかかります。
女子では北海道銀行や、富士急が会社として支援してくれたりもしていましたが、男子ではなかなかそういう環境になかったのではと思います。
特に、オリンピックに出てませんでしたから。

それが平昌オリンピックを経て、ちょっと変わってきたのだと思います。

実は、カーリングは露出時間の長いスポーツです。
今回のオリンピックでも、予選が9試合あって、試合時間は普通にやって、2時間くらいです。
それだけテレビに映り続けた競技は他にはなかったと思います。
その宣伝効果を考えたら、投資しやすくて、リターンが帰ってくるかもしれない、と思う企業があっても不思議じゃないですよね。

それが今回の新しい動きの一つなのかな?と私は感じています。
日本が強くなるために踏み出した第一歩、そう考えると、楽しくなってきませんか?

誰かがその時代を切り開き、そして、また新しい動きが出てくる。
そうやってマイナー競技から、メジャーになろうと育って行くのかもしれない、と少し、感慨深げです。

彼らがどんな戦いを見せてくれるのか、今から、楽しみでしょうがありません。
次のシーズン、どんな風に勢力図が変わるのか、変わらないのかを見届けたいと思います。