■オリンピック雑感-私たちにできること。

オリンピックで次々と予定が進んでいく。
メダル候補と言われていた種目でも、メダルをとれていない競技もある。
ニュースで見ると「メダルを逃しましたね」という一言で終わってしまう。

リアルタイムでその試合を見ると、その壮絶さが少し分かる。
例えば、モーグルの愛子ちゃん。
モーグルに詳しくない私が見ても、3位になれたんじゃないか、と思うくらい、その差は少なかった。
スピードスケート500mもそう。
確かにメダルは逃したけれど、上位選手との差は1秒以下。

オリンピックに出ることができる選手。
その上位陣は、本当に小さな差しかないんだという現実に気づく。

オリンピックには盛り上がって欲しい。
たくさんの人に見て欲しい。
興業的にも成功して欲しい。
頑張ってきた選手に結果として残してあげたい。
4年に一度のお祭りには様々な立場の人々の、様々な思いが交錯している。

だから、テレビでは事前にメダルが難しいということまで言ったりしない。
僅差で取れるかもしれなければ、メダル候補になる。
でも僅差でそれを逃したら、「惨敗」とか言われちゃうんだよね。

私はフィギュアやカーリングのファンだから、この種目の選手の立ち位置が分かる。
誰がメダルを取れそうで、そうでないのか、世界との距離はどのくらいなのか。
どれほどマスコミが煽ってもそれは違うよね、とわかって競技を見ている。
多くの普通の視聴者は事前のマスコミ報道を信じて競技を見ているのだろう。
だから、落胆も大きい。

だけどその戦いぶりをつぶさに見ていたのなら分かるはず。
選手がその一瞬のために真摯に向かい合っているその姿が。
僅差のその表彰台、その高いところを目指して争っている姿が。
それでも誰もがそこに立てるわけではないわけで。

本当にできることならすべての選手にメダルをあげたいと思う。

もちろん、勝つためにそこに向かっているのだから、負けて叩かれるのも仕方ないと思う。
それなら、せめてその競技をちゃんと見て、意見を言おうよ。
ニュースでカットされたシーンだけを見て、否定的な言葉を綴るのは、恥ずかしいことだと私は思う。
そのために4年間を費やしてきた選手に失礼だと、思う。

私たちにできることは声援を送ること。
全力を出し切れますようにと祈ること。
そして、願わくば笑顔で競技を終われて、結果につながることを信じること。

国家の予算を使ってスポーツ振興を進めている以上、結果は必要なんだということは理解できる。
頑張ったけど、結果につながらなかったら、それを分析して、次に繋げる必要はもちろんあると思う。
みんな勝ちたい一心でそこに向かっているはずだから。
でも、それはただの観戦者の役割ではないと私は思う。
そして、マスコミの役割でもない。
その瞬間だけを切り取って、調査不足で、予想すらまともに出来ないマスコミにできるとも思えない。

私たちにできること。
その競技を知ること。
試合を楽しむこと。
その感動や、得たものを自分に活かすこと。

それが私たちにできるすべてではないのかしら?