■僕たちの未来  〜新しい龍神NIPPON その3 大舞台が人を作る〜

彼がイタリアでシニアに合流したと聞いた時、ちょっと働きすぎじゃない?と思っていました。
 
イタリアに留学して、帰ってきて大学の春季リーグに出て、U23アジア予選で準優勝し、ユニバの東アジア地区予選で優勝し、そして、シニア代表に合流するためにイタリアへ、そして、スロバキアでも、高崎でも試合に出ることに。
たぶん、今の龍神NIPPONで一番、過酷なスケジュールをこなしたのではないかと思っています。
だって、文字で見るだけでも、大変って思いますよね?
それを彼は淡々とこなし、試合ごとに成長し、高崎で周りもびっくりするくらいの一皮向けた姿で活躍してくれたのです。

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彼のプレーを初めて身近で見たのは去年の大学の秋季リーグからインカレにかけてでした。
そう、まさに彼がオポジットに転向してからの軌跡を追ってきた感じ。
高さもパワーもある彼のスパイクは人をふっとばすことももちろんあったし、サーブだって、決まるときは威力を発揮してました。
 
でも、まだ、そこには勝負する、という姿は見えなくて、二段トスとか、ブロックが3枚ついたときに、打ち切らないというシーンを何度も目にしてきました。
(現地で、「いっせー、行け!」とか叫んだことは数知れず。。。。うるさい観客ですみません)
 
アンダーのカテゴリーで活躍する姿を見てもシニアで大丈夫かな、逃げちゃわないかな、、、と親のように心配ばかりしていました。
 
このワールドリーグでも最初の方は大学で見たようなシーンがちらほら見れて、やっぱり、このチームにはまだ、清水さんみたいなベテランのオポジットが必要かも、とか、もう、いっそのこと、オポジットなくしてOH3人で回すとか、そういう考えもありなんじゃないかと悶々と考えたり。
 
もともと、日本のバレーにオポジットは必要なのか???と観戦仲間とむっちゃ熱い議論をしたことも。
 
でも、彼、大竹壱青は、日本のバレーファンが待ち望んでいた清水さんのあとを任せられるオポジットに育つかもしれない、という夢を高崎で見せてくれました。
正直、まったく、想像してなかった活躍にもう、驚きと、そして安堵と、喜びが混じって、それは涙につながります。
 
この試合で叫んだ「いっせー、行けー!」という言葉は大学の試合で叫んだそれとは違っていました。
そう、やってくれることを期待した言葉。
 
なんて、頼もしいんでしょう。
なんて、かっこいいの。

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代表が招集されたときとは違う鋭い顔つきになった彼は「龍神NIPPON」という大舞台に育てられたのかもしれないね。
 
これから、彼はどんな選手に育っていくんだろう?
2020年までにどんな風に私たちを驚かせてくれるんだろう?

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