■「ヒカリ」あれ 〜柳田将洋の挑戦に思う〜

そのニュースを聞いたとき、あまりに突然のことで受け止めるのにちょっとだけ時間がかかりました。

確かに彼には海外でその力を試して欲しかったけれど。
ただ、もろもろを考えると難しいことかもしれないと思っていたから。
彼の言葉の端からもまだ環境が整っていないことを感じていたから。

 

その時は自分たちが想像したよりも、早く、そして突然にやってきた。
サントリーの柳田くんが次のシーズンは見れないのだという現実を寂しいな、と思いつつも、
目標が定まった人は強いな、と感じていました。

 

今でもOQTで彼らがオリンピックの出場権を逃した時の表情を覚えています。
虚ろに見えて、何かを見据えているようなその眼差しの向こうに何が見えていたのか。
2020年には同じように悔しい思いをしたくないという気持ちが今の選択につながっているのだろうと。

 

この選択ができた彼は本当に強い人だな、と私は感じています。
ラティーナに石川くんが行った時にチームメートの身長を見て、彼でも小さい方だったのを見てたこともあって、柳田くんが海外で活躍するにはどうしてもそこが一つのネックになるだろうと。
移籍先がどこになるかはまだわかりませんが、スタメンで出られるチームがちゃんと見つかるだろうか?とか。
石川くんと同じように最初は言葉で苦労するのだろうか?とか。
正直なところ、心配しようと思ったらきりがなくて。

 

2016-2017シーズン、OQTで、WLで、そして、Vリーグで。
彼の活躍を追い続けました。
OQTを経て、彼がどこへ向かっていくのかをつぶさに見たいと思ったら。
駆り立てられるように練習を見に、箕輪に駆けつけたり。
自分でも驚くほど、駆り立てられていました。

そう、きっと、多分、2020年のコートに間違いなく立つ一人だと信じて疑わなかったから。

サントリーのメンバーとして最後にコートに立つ試合は見に行けなかったけれど。
彼がどんな気持ちでその場に臨んだのかは想像がつきます。
勝って終わりたかっただろうことも。

思いは成就することばかりじゃなく、終わりは突然にやってきます。
微妙な判定で最後の瞬間を迎えたときどんな気持ちだったんでしょうね。
もしかしたら、それが、今の彼の立ち位置なのかもしれません。

そのポテンシャルも、才能も、そして努力も知っているけど、何か足りない。
本人がそれを一番よくわかっているのかもしれません。
そして、彼はその何かを求めに海外という舞台を選んだんじゃないかな、と。

結果がどうなるかなんて、誰にもわからないけど。
もしかしたら想像するより困難が待っているかもしれないけれど。
それさえもきっと、彼を大きく成長させるでしょう。

次にその姿を見る時はきっとその成長に驚かされる気がします。
そんな日が来ることを楽しみに。
笑顔でその旅立ちを見守りたいと思います。